あの「シルク」が3D映画化されました。それもドキュメンタリーとしてではなく。(点数 75点)
(C)2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
本作は第25回東京国際映画祭の公式オープニング作品として上映され、上戸彩さんがオフィシャル・ネビゲーターをつとめたことからみてもこの秋最大の話題作であることは確かです。
「太陽のサーカス」と言われる公演体験者、1億人。ひとつの団体としてはべらぼうな集客、ということはそれだけ観衆を熱狂させる完成度だということでしょう。
オープニング、少女が吸い込まれるようにサーカス小屋へ向かいクラウン(ピエロ)に押しつけられたチラシの空中ブランコ乗りに恋をしたら最後「不思議の国のアリス」よろしく魅惑蟻地獄=ワンダーランドに紛れ込むことになります。
ワンダーランド映像は、全て生身の人間によって行われている人間業とは思えない現実の出来事です。
圧倒的なパフォーマンスと3D映像で、あたかも目の前で「シルク」の舞台を観るかのようです。パフォーマンスはCGなどではなく、全て人間の肉体力。ここには人間の知力・体力を含めて創造されたエンタテインメントが溢れています。
実演の「シルク」を観賞された方にとっては、「ズルいよこのどアップ画像」と言われるのではと思われますし、はじめて観賞の方はびっくり仰天間違いなし。オリンピック種目の体操・シンクロナイズドスイミング・フィギュアスケート等+中国雑技団を同時に一気に短時間に見せられたようでもあります。
音楽はビートルズの楽曲を中心に、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソンなどとコラボレートは、してやられたと思うと同時にノリノリの展開です。
公演を観たことのある人にも、観たことのない人にも、ファミリーにも、カップルにも、お一人様でも驚く、鳥肌ものの究極のパフーマンス・ショーの世界が映画の大画面に映し出されます。
筆者は、無理矢理物語=脚本化せず、ドキュメンタリーでもよかったと思ったりもしますが、それは趣味によるでしょう。本作の特別功労は製作総指揮のキャメロンということになります。
■2012年 アメリカ映画/上映時間:97分/製作総指揮:ジェームズ・キャメロン/監督・脚本:アンドリュー・アダムソン/出演:エリカ・リンツ、イゴール・ザリポフ、サーカス団員たち
オフィシャルサイト:http://www.cirque-3d.jp/
(中野 豊)