シュアリー・サムデイ - 渡まち子

◆若さゆえの無謀と情熱を感じる青春映画(50点)

 人気俳優の小栗旬の初監督作品は、彼の人脈をいかしたキャストのイキの良さが伝わる青春ムービーだ。過去の悪ふざけのツケで目標のない毎日を生きている若者たちが、冴えない人生を変えようと暴走する。タクミら5人の高校生は、バンドを組み文化祭に向けて練習していたのに、文化祭が中止になると知り激怒。抗議するために狂言の爆破事件を予告するが、手違いで本当に爆発が起きてしまう。それから3年、学校を退学になった彼らは、自分たちが起こした事件が引き金で、親しかった人の人生が大きく狂ってしまったことを知る…。

 俳優が初監督するというと、どうしても懐疑的になってしまうのだが、本作は、若さゆえの無謀と情熱を感じる青春映画として見れば、荒削りながら、そこそこ楽しめる。出演者は小栗旬が過去に共演した俳優仲間総出演といった趣で、チョイ役まで豪華な面々。特に、まっすぐなキャラがピタリとハマる小出恵介を主演に据えのが良かった。事件は、バラバラになってしまったバンド仲間の一人で、今はヤクザ稼業のカズオが謎の女に組の資金3億円を奪われたことから始まる。その女はタクミが少年の頃に一度だけ会ったことがある、風俗店の心優しい美女だった。元刑事のタクミの父が追っていた過去の事件、狂言爆破の思いがけない波紋、バラバラなようでいてしっかりつながっている友情と、内容は盛りだくさん。そのため後半は散漫になってしまうのが惜しいが、スピード感は最後までキープしている。もっともヤクザの親分の描写は少々ヒネリすぎで、街中でのチェイスの末に、公衆の面前での暴力沙汰など、リアリティに欠ける部分も。小西真奈美以外の女性キャストの演出なども、まるで素人同然だ。ただ、話の軸は、たとえカッコ悪くても必死に生きる5人の若者たちの情熱。主人公タクミの、今度こそ愛する人を守りたいという熱い思いが、再生のきっかけになる物語の後味は悪くない。

渡まち子

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