シャーロック・ホームズ - 町田敦夫

◆ホームズが武闘派アクションヒーローに(60点)

 これはホームズではない……。英国グラナダTV版のホームズ(演じるはジェレミー・ブレット)を見たときにも「どこか違う」と思ったものだが、本作のホームズはさらにイメージが違う。まあ、何と違うのかと聞かれれば、こちらの基準は偕成社やポプラ社から出ていた児童書版のホームズなので(最近の子どもたちよ、信じられないだろうが、昔の子どもはテレビゲームの代わりに読書をしていたのだよ)、イギリスの映像作家が作ったホームズの方が原典に近いんだよと言われれば、グーの音も出ないのだが。

 それにしてもロバート・ダウニー・Jr.がホームズで、ジュード・ロウがワトソンというキャスティングはいかがなものか。「せめて逆にしてくれよ」と思ったのは私だけではなかったはずだ。過去にはチャップリンにも毛むくじゃら男にも黒人にもなりきっているダウニー・Jr.だが、本作ではイギリス訛りひとつとっても中途半端。やっぱり、これはホームズではない……。

 だが、ホームズ物だと思わなければ、これはこれで上々のアクション・エンターテインメント。そもそもストーリーはコナン・ドイルの原作にはないオリジナルだ。敵を殴り倒しながら悪の巣窟に踏みこみ、窓からテムズ川へとダイブし、時には全裸でベッドにつながれる新たなアクションヒーローがそこにいる。クライマックスを飾るタワーブリッジでの格闘などは、まさに手に汗握る迫力だ。

 もっとも、ガイ・リッチー監督(『スナッチ』)の演出は、テンポの早さもさることながら、その独特の癖の強さで客を選ぶ。ホームズ一流の人物洞察力や科学実験癖が、ほとんどギャグのネタとしてしか使われていないのも、長年のファンには不満が残るところ。また、原作でおなじみのある愛すべき脇役が、全然愛すべきではない行動をとってしまう点も、おそらくシャーロッキアンの怒りを買うだろう。『シャーロック・ホームズ』というタイトルを冠したこの作品、「面白かったか?」と聞かれれば、「十分に面白かった」と答えよう。ただし、しつこいようだが、これはホームズではない……。

町田敦夫

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