シェアハウス - 福本次郎

高齢化社会の理想像を示したいのならば、せめて空の青さや芝生の緑、木のぬくもりが感じられる鮮やかな映像で見せてほしかった。(点数 40点)


(C)2011「シェアハウス」製作委員会

広々とした吹き抜け、会話が弾む楽しい食卓、パーティに息抜きにた
びたび利用される見晴らしのいいバルコニー、そして何よりお互いを
思いやる友情以上愛情未満・男子禁制の心地よい他人との距離感。寡
婦、離婚、恋愛下手、挫折など様々な理由でひとりっきりになった女
たちが、孤独を癒すために一つ屋根の下で同居を始める。干渉しすぎ
ないようにしているつもりでもいつしか家族のように心配になってい
く、その気持ちの変化が温かい。

【ネタバレ注意】

古い木造家屋で一人住む老婆・有希子は友人の死をきっかけにカフェ
仲間の麗子・英恵、東京から来たまひると一緒に暮らすことを決意、
シェアハウスを完成させる。

有希子以外の3人も事情があって男と縁がないが、女4人力を合わせて
生きていこうとする。それぞれが新しい人生をスタートする過程で、
己の中に新しい可能性を発見していく。だが、彼女たちの大人のまま
ごとは本来充足感や安心感に満ちているはずなのに、その素晴らしさ
は伝わってこず、かといってハウスシェアにおける実用的な情報もな
い。そもそも土地や建物の資金はどこから捻出したのか、日常の生活
費や労働の分担などの細かいルール決めはどうやったのか。もっと掘
り下げてリアリティを持たせなければ、絵に描いた餅にしか見えない。

高齢化社会の理想像を示したいのならば、せめて空の青さや芝生の緑、
木のぬくもりが感じられる鮮やかな映像で見せてほしかった。

福本次郎

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