上映時間は83分と短めであり、ストーリーも簡素化されているため、B級ホラーとしては面白さをしっかりと満喫できるので素直に良いと思える(点数 65点)
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全米で劇場公開されたホラー映画の人気シリーズ“アフター・ダーク・オリジナルズ”全8タイトルの中でも評判が良かったのがブレット・シモンズ監督・脚本による第三弾作品『ザ・フィールド』である。
ドライブを楽しんでいる若い五人の男女の車に突然カラスが激突したことによって事故を起こす。車は大破した上、仲間の内の一人が行方不明に…。広大なトウモロコシ畑に残された男女四人は、不気味なカカシのモンスターに襲われるハメになり、絶望と恐怖に晒されることになる…。
登場人物は数名、メイン舞台はトウモロコシ畑という明らかに低予算で作れているが、予算を懸けずに単純明快な面白さを味わえるようにという感じで作られている本作。
序盤の車のフロントガラスにカラス数羽が叩きつけられるシーンで観る者に恐怖と衝撃を与え、さらに無残なカラスの死骸を見せつけてグロと残虐のイメージを与える。
カカシモンスターが登場してからが見せ場であり、このモンスターが若者を襲撃するシーンをスリリングかつスピーディーに描き、痛々しい残虐性もしっかりと観られる。
また、ある廃墟に逃げ込んだ青年が一室で裁縫をやっている不気味な人物に遭遇するシーン、その人物の正体、各指の第一関節あたりに釘を突き刺している上に金槌でその釘を叩きつけているという不気味なシーンも忘れ難い。
メガネ顔の青年が農夫と息子兄弟の幻覚を見るシーンが数度観られるが、この幻覚が劇中で起こっている悪夢の全貌を明らかにさせ、観る者を納得させる。
カカシをネタにしたホラー作品と言えば、『ジーパーズ・クリーパーズ』や『案山子男』シリーズが存在するため、今さら感は否めない。でも、上映時間は83分と短めであり、ストーリーも簡素化されているため、B級ホラーとしては面白さをしっかりと満喫できるので素直に良いと思えるのだ!!
(佐々木貴之)