恐怖や気味悪さ、痛々しいシーンがしっかりと味わえる作品。(点数 70点)
(C)2010 The Weinstein Company LLC. ALL Rights Reserved.
スティーヴ・キングの短編小説「トウモロコシ畑の子供たち」をジョエル・ソワソンが映像化したホラー作品。
自動車事故で立ち往生した若い夫婦がある一軒家に助けを求めて入室。気味の悪い夫婦が棲んでいるこの家で宿泊することになったが、その夜に不気味な物音が聞こえてきて状況が一変。逃げ出そうとする若い夫婦を姿が見えない何者かが邪魔をし、どんどん追いつめていく…というお話。
冒頭で過去(1973年)の出来事を描くが、これがなかなか恐怖感をしっかりと味わわせてくれる。若い男が壁に掛けられたわら人形を取り外すと口の中に何かを突っ込んだ状態の母親が倒れだし、父親の目にトウモロコシが突き刺さった状態で死んでいる。さらには黒髪の女の子が若い男に接近するが、その女の子と別の男の子が交錯。この女の子には男の子の霊が獲り付いているのか?!そう考えていると、すぐさま男は刺されてしまう!!これだけでもショッキングなホラー映画の面白さを味わえる。
その後は、物語の本筋である立ち往生した若い夫婦が追いつめられるまでをじっくりと描く。
とにかく不気味なムード満載。夫婦が助けを求めて訪れた一軒家の主は、表情も口調も不気味丸出し。主の妻も同様。主から「案内していない部屋には立ち入らないように…」の通告を無視した女は、トイレに行ったついでに納屋での出来事を覗き込み、これが原因で夫婦は恐怖へと晒される。部屋から脱出するべく夫婦を不思議なパワーが阻む。
ホラー映画にてよくありがちな設定ではあるが、恐怖や気味悪さ、痛々しいシーンがしっかりと味わえる作品で、なおかつ81分という短めの上映時間だから気軽に楽しめる作品として十分満足だと言いたい。
(佐々木貴之)