コクリコ坂から - スタッフTOMOKO

宮崎吾朗監督2作目アニメは、子供に媚を売らない40代以上のための作品。(点数 80点)


(C)2011 高橋千鶴・佐山哲郎・ GNDHDDT

小学校5年になる娘と、夏休みに映画を見る約束をしており、
選んだのが、この「コクリコ坂から」。

スタジオジブリ作品だし、大人も子供も楽しめる
無難な作品だと思ったのだ。
しかし、そのチョイスは間違っていたようだ。

ジブリ作品といえば、「崖の上のポニョ」や
「千と千尋の神隠し」のようにファンタジー色が強く、
大人は深い見方もでき、子供でも楽しめるストーリー展開、
というのが今までの流れだったように思う。

ところが、「コクリコ坂から」は、
まったくファンタジーの要素がない。

昭和30年代の終わりという、日本がこれから
高度成長期になろうかという夜明け前くらいの時代背景、
高校生を主人公とし、その初恋や日常を、
ノスタルジックに、ただ丁寧にアニメにしました、
というような映画なので、子供には退屈極まりない。

その上、主人公の「海」と「シュン」の出生の秘密が
やや複雑で、娘は終わってから
「それで・・・あの二人は兄妹なの?違うの?」
と首をかしげていたので、もっと小さい子供は
まったくストーリーについていけないと思う。

だからといって、駄作だというわけでない。
子供に媚を売っていない分、時代考証をしっかりし、
当時の空気感を丁寧に描き出し、
40代以上が見たら、自分の子供の頃と重なって
誰もが懐かしさを覚えずにはいらないノスタルジー溢れる
静かな青春映画なのである。

「ALWAY3丁目の夕日」みたいに、ひたすら、高度
成長期前の日本の元気さ、人情の厚さ、青春、純愛
のようなテーマをどストレートに表現していて、
映画を見ながら、疑似青春を体験するような感じかもしれない。

海は、早くに父親を海で亡くしてるのだが、
夢の中で、父親が出てきて、「大きくなったなあ」と
言うシーンは、涙を誘う。

とりたてて派手なところのまったくない映画だけれど
静かに昭和を振り返り、家族や友人との絆について
考えることのできる爽やかな良作品だと思う。

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