『スターウォーズ』もいいけど、『ロッキー』もねっ!(点数 100点)
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「クリード」という単語を聞いて、ドキドキしなければ、ロッキーファンとはいえないでしょう。
そう、ロッキーの好敵手で親友のアポロの名字なのですから。
二人の友情、そして別れに涙した方も多いハズ。
で、なぜこのタイトルかというと、主人公がアポロの息子だから。
アポロに子供いたっけ? と 首をかしげますよね。
「ロッキーシリーズ」では触れられていませんし。
なんと、愛人との間に息子がいたんです。
「アポロの息子」という構想で、ライアン・クーグラーは、スタローンを口説き落とし、本作が誕生したのです。
『ロッキー・ザ・ファイナル』で幕を閉じたはずのロッキーの物語が再び、始まりました。
アポロの妻(フィリシア・ラシャド)に引き取られ、何不自由なく育てられたアドニス(マイケル・B・ジョーダン)ですが、ボクシングへの情熱は捨てがたく、会社を辞め、フィラデルフィアのロッキー(シルベスター・スタローン)の元へ。
最初はコーチを拒んでいたロッキーもいつしか、その気になり、師弟のトレーニングが始まります。
厳しい練習の中、アドニスは、同じアパートに住むビアンカが気になり出します。
才能を開花させたアドニスは、デビュー戦を2回TKOで制しますが、隠していた出自がばれ、スキャンダラスに報じられてしまいました。
一方、36戦無敵の現世界チャンピオン・コンラン(アンソニー・ベリュー)は銃の不法所持で7年の刑を宣告され、最後のタイトルマッチの相手を探しています。
強すぎる上に素行が悪く、対戦相手が見つからないため、彼らは話題性で、アドニスにオファーしました。
当初は反対したロッキーも、アドニスの熱意にうたれて、共に戦う決意をしますが……。
絶対勝てないだろう相手との試合。愛する女性の存在。
第一作目の『ロッキー』を彷彿させます。
前作の世界観を大切にしつつ、新たな物語が紡がれていて、とても心地よいです。
コンランとの試合のすさまじいこと。
脳内では、ロッキーのテーマが大音響で流れているのに、本作品ではいっこうに流れません。
何で、何でと思っているとついに、あのテーマ曲が!
だけど、だらだらとは流してくれず、あっという間にフェイドアウト。
チラ見せ(チラ聞かせ?)がうますぎます。
そして、ラスト! ドキドキします。うるうるします。興奮します。
ずるい! と叫びたくなるほど見事な演出です。
今年は、大好きな『スターウォーズ』だけでなく、『ロッキー』にも 新たな世界が始まりました。
これからが、楽しみですね。
絶対、続編も作ってくれるハズ。期待が高まります。
本作だけ見ても、わくドキしますが、『ロッキーシリーズ』全6作を 見ておくと、さらに楽しめますよ。
(小泉 浩子)