◆CGにガックシ(50点)
日本のCGは、どうしてこうも進歩しないのでしょうか。。いろんな機器や発明を世界に送り出しているのに、CGだけはほんと変わりません。。邦画はとても面白いですし、その実力は世界でもしっかり評価されているのに・・CGを使ってしまった作品ばかりは残念な結果です。。
今作は、そんな思いを切に感じる内容でした。
ストーリーは、17世紀の日本。階級社会の最下層の子として生まれたカムイ(松山ケンイチ)が、生きるために忍び(忍者)となり、やがて自由を求めて忍びの世界から決別、“抜け忍”となる。その後のお話です。
“抜け忍”とは要は同じ忍者仲間(?)からすると、裏切り者なわけで・・“忍びの掟”では「抜け忍は生かしておけぬ!」だそうです。
なので、カムイは追い忍から逃げ孤独な逃亡生活を送っています。その長い長い逃亡生活の物語なのです。
この原作は漫画家白土三平さんの伝説的傑作と言われている「カムイ外伝」。今回は、この長編大作の一部を切り取って、映画にしたとのこと。
むむ。話がわかるのか心配・・・でしたが、
冒頭、白土さんの原画で、カムイの生い立ちの説明があったり、時折ナレーションが入ったりで、すんなりとストーリーは理解できました!
うん。初めてみる人にも優しいつくりです♪
しかし・・・長い原作の一部を切り取って作った、というので仕方がないのかもしれませんが、ハッキリ言って見所がどこかわからない。全体的にピンボケしたような感じでした。。(映像もワザとなのかもしれませんが、なんとなく観難かったです。。)
抜け忍と追い忍との死闘(忍者の術を駆使したアクション)や忍者とは? (忍びの掟や生活など)を掘り下げて魅せてくれるでもなく、カムイがしばらく身を寄せることになった村での出来事も中途半端に終わり・・
逃亡生活の一部なんて真ん中(?)を中途半端に描くのではなく、“カムイが抜け忍になるまで”を描いた方がよかったのではないかと思ってしまいました。
何より、登場人物の目的&つながりがサッパリわからないので、う゛?ん。。コメントのしようもないです。。
その目的の全くわからない登場人物の一人として、サメ漁を生業とするあらくれ者の長、不動役で伊藤英明さんがいらっしゃるんですが、まぁ?ワイルドで髪や身なりもぼさぼさ、顔にも泥をつけて、パイレーツのジョニー・デップにも負けず劣らず(笑) なんですが、一点、『歯』だけがキラーンッ!! 輝きすぎ!!(笑) 歯だけ清潔感がただよっちゃって浮いてます(笑) 芸能人は歯が命! かもしれませんが、1、2本、お歯黒にするとか金歯にするとかしたらよりよかったかも(笑)
さらに、おそらく一番のみせどころ、格闘シーンについて・・・
せっかく、実力派の俳優陣が身体を張って緊迫した雰囲気で「本気で刀を振り回し、刺しまくっているのでは!?」っと思えるほどの迫力を与えてくれていたのに、変なCGで台無しに。。。
忍者なんで、ぴよ?んと遠くまで飛んだり、分裂して見せたり、演技するっていっても生身の身体じゃとても無理なことはわかっておりますが、CGのちゃっちさには笑いがでそうでした。緊迫したシーンで笑いをとっちゃいかんです(笑)
また、このCG・・・アクションだけにとどまらず・・風景にも。。
わざわざ沖縄でロケをしたようですが、良さが全然生かされてない。せっかくの海まで何故かCGなんですよ!! 村の建物や衣装は凝っているのに、変に水はCGで加工され、船の側面は濡れてないし、水しぶきはゲームみたいだし、リアリティが一気になくなり↓ 気分も一気に下降します↓↓ もう少し、気を使ってくれてもよかったのにと思います。
こんな感じでなにかとある意味おもしろい作品です♪ が・・・続きがあっても私はもういいかなぁ。。(笑;)
原作はとてもすばらしいと聞いているので、原作は読んでみたいと思いますが♪
(スタッフ古庄)