気軽に楽しみたいゾンビ映画。(点数 55点)
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コリン・ゼイルズ監督がスティーヴ・ナイルズのグラフィック・ノベル「Remains」を実写映像化したゾンビ映画。
ネバダ州リノのカジノに勤務するディーラーのトム(グラント・バウラー)は、従業員のトーリー(エヴァレナ・マリー)と倉庫で性行為に興じている最中に突然大きな振動を感じて2人が店内に戻ると、周囲は荒れ果てた状態の上に客や店員は見当たらなかった。
なんとか警備室にたどり着いた2人が外の様子を写した防犯カメラの映像を観ると、街では人々がゾンビに食い殺されているという衝撃的な状況を知る。ゾンビに支配された街から生きて帰ることが出来るのか?!というお話。
カジノに興じるゾンビたちを面白おかしく描き、そんなゾンビたちを撃退していく内容かと思えたが、カジノはストーリーとはあまり関係なく、よくありがちなゾンビ映画とはほとんど変わらない。
本作に登場するゾンビは、ノロノロと歩くオーソドックスなゾンビもいれば、『ドーン・オブ・ザ・デッド』でお馴染みの走るゾンビもいるが、新たに共食いするゾンビや眠るゾンビが登場するので、そんな新たなる習性を兼ね備えたゾンビに注目していただきたい。
ゾンビが人肉を食うシーンにおけるグロ描写、ゾンビをマシンガンで蹴散らし、鉈で頭部を叩きつけるという撃退シーンといった見せ場は定石通りで、それなりの面白さを味わえるのは良いが、所々まどろっこしさを感じさせるのがいただけない。
細かいことを気にせずに気軽に楽しみたい他愛のないゾンビ映画だと言いたい。
(佐々木貴之)