カウントダウンZERO - 中野 豊

世界の終りが予測可能であることを怖いくらいに説得し・・・ (点数 80点)


(C) 2010 NUCLEAR DISARMAMENT DOCUMENTARTY, LLC

私たちの周りがウランに満ちていることに、目を覚まし気づかなければならない
と警告する。しかし、世界の終りまでに我々の多くがしたいと思うことは、避け
て隠れることである。—-New York Times

冒頭に“アルカイダ”や“オウム真理教”がロシアのプルトニウムを狙っていた!とアナウンスされる本作は、『不都合な真実』のスタッフが再び人類へ ノーティスを投げかけます。

先ず、ドキュメンタリー(記録映画)をジャッジ=採点するなどナンセンスながら、当批評サイトは「それ」が売り故に高得点ラインに入れ、多くの方に見ていただこうってのが筆者の魂胆ですが、恐ろしさは100点、気分は0点であります。
※文末にリンクをはらせてもらった、核の恐怖を描いたサスペンス『4デイズ』で‘ジャッジ’を棄権させていただいたのは up時期の特例と思ってください。

さて、本作の批評は難しい。物理学者や政治家の分野でしょうから?
勝手ながら「核」について、映画内外 有識者のコメント・レヴューをいくつかご紹介するにとどまらせていただきます。

「我々は、糸で吊り下がった核の下で生きている。その糸は、事故・誤算・狂気で切断される。戦争兵器は滅ぼさなければならない。我々人類が滅ぼされる前に・・・」—ジョン・F・ケネディ(元米国大統領)

「キューバ危機は、米国の存続自体を危うくした。核戦争まであと一歩というところまで行った。ソ連にもアメリカにも、自国をそのような危険にさらすつもりはなかった。だが、我々が次回もそれほどの幸運に恵まれるとは限らない。」—ロバート・マクナマラ(元米国防長官)

「テニスボールサイズの核爆弾でマンハッタンが全滅する」—エンリコ・フェルミ(物理学者)

「・・ アルカイダは何としても核兵器を入手し、使用しようとしています。90年代初め、彼らはスーダンで高濃縮ウランを買おうとしましたが、詐欺に遭いました。9.11の直前、オサマ・ビン・ラディンと彼の副官ザワヒリが、パキスタンの原子物理学者二人と会い、核兵器について話し合ったことを私たちは把握しています・・・」—バレリー・プレイム・ウィルソン(元CIA秘密工作員)

「核兵器はある意味、核物質の想像し得る限り最もシンプルな形態だ。一定の量の核分裂物質と高濃縮ウランまたはプルトニウムを合わせる方法さえ間違わなければ、ちゃんと爆発する。」—アレクサンダー・グレイザー(プリンストン大学原子物理学者)

「・・・規制が敷かれ、制裁措置もとられた。しかしパキスタンは何とかしてそれらをかいくぐった。そのパキスタンに本格的に手を差し伸べたのは、インドと敵対する中国だった。中国は核爆弾の設計図をパキスタンに提供した・・・」—アーメッド・ラシッド(イスラム軍事組織専門家)

「・・・私はかつて『私たちが核兵器を所有しているのは、相手が使用するのを防止するためだ』と思っていた。だが、今私たちが住んでいる世界では、私たちが核兵器を所有していれば-所有しているのが誰であっても-それは使用されることになる。私たちは考え方を変えなければならない。考え方を変えなければ、生き残ることはできない・・・」—リチャード・ザイジック牧師

「テロリストの手に濃縮ウランがわたる。遠い、ありえない話のように感じていたが、それが阻止されているのは幸運な偶然によることが少なからずあるというのだ。いつテロリストが核爆弾をつくってもおかしくない。怖い映画である。」—田原総一朗(ジャーナリスト)

いかがですか?
唯一の原子爆弾被爆国であり、東日本大震災により原発事故を体現した我々には見る義務があるでしょう。
不安を煽られるのは まっぴらだ!という方には、見ない権利もあります。

■2010年 アメリカ映画/上映時間:89分/監督:ルーシー・ウォーカー/出演:ミハイル・ゴルバチョフ(元ソ連大統領)、ジミー・カーター(元米国大統領)、パルヴェーズ・ムシャラフ(元パキスタン大統領)、トニー・ブレア(元英国首相)、バレリー・プレイム・ウィルソン(元CIA工作員)、スコット・セーガン(スタンフォード大学政治学者)

オフィシャルサイト:http://www.to-zero.jp/

[関連記事]

映画ジャッジ!『4デイズ』
http://www.cinemaonline.jp/review/12829.html#more-12829

All About「記録映画のセレクト10」
http://allabout.co.jp/gm/gc/207095/

中野 豊

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