オーシャンズ - 福本次郎

◆イルカの群れがイワシの大群を水面近くに追い込み、一気に突進する。さらに、生まれたばかりのウミガメの赤ちゃんに群がるグンカンドリや、海岸で戯れるオタリアの幼獣に突然襲いかかるシャチなど、弱肉強食の掟を繰り返す。(60点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 イルカの群れがイワシの大群を水面近くに追い込み、一気に突進する。上空からは海鳥がくちばしを突き出して銛のように急降下してイワシをとらえる。仕上げにサメやクジラが大きな口をあけてイワシの群れごと一気に飲み込もうとする。まさにイワシ食べ放題といった壮大な晩さん会は、食べる者と食べられる者の力関係を冷酷に描写し、餌となるためだけに生まれてきたようなイワシにまったく同情を寄せることはない。さらに生まれたばかりのウミガメの赤ちゃんに群がるグンカンドリや、海岸で戯れるオタリアの幼獣に突然襲いかかるシャチなど、弱肉強食の掟を繰り返し、海洋で生きる厳しさを見せつける。

 「海とは何だろう」という少年の問いに、男はカメラを手に大海原への旅にでる。サンゴ礁から外洋、砂浜から海底、北極から南極まで世界中の海に棲息する生物を追ってその答えを見つけようとする。

 カメラにとらえられた動物たちは、そこに撮影者などいないかのごとく警戒心を一切見せず、われわれの前に素顔を見せる。特にホオジロザメのそばをダイバーが並行して泳ぐシーンがあったが、襲われる心配はなかったのだろうか。また、カニとシャコの死闘や、海底に敷き詰めたようなコシマガニの群れが這って集まって数万匹が山のように折り重なり集団で脱皮するシーンなどは、珍しい生態といった枠を超えた非常に貴重な映像だ。

 一方で、汚れた海にすむオットセイ、漁網にかかった魚たちの痛々しい姿、漁の邪魔をするイルカを撲殺する漁師、氷の減少にえさ場を失うホッキョクグマ、尾鰭と胸鰭を切り取られ生きたまま海に捨てられるサメが泳ごうともがきながら海底に沈んでいく映像は、人間の残酷な仕打ちを告発しているよう。しかし、あえて保護を訴えなくても、この映画のクルーが全世界でレンズに収めた大自然の営みを眺めているだけで、人類がこの環境の破壊者になってはいけないという主張はおのずと伝わってくるのだが。。。

福本次郎

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