ハラハラドキドキの緊張感を味わうべき作品(点数 60点)
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昨年公開された『デビル』に続いて、またもやエレベーターを舞台にしたシチュエーション・スリラーが登場した。監督は、本作が長編映画第2作目となるノルウェー出身のスティング・スヴェンセン。
ウォール街に立つ高層ビル群の中に、投資会社CEOのヘンリーが持っている本社ビル。その最上階でヘンリー主催のパーティーが開催されるということでヘンリーを含む9名が一台のエレベーターに乗る。だが、エレベーターは最上階に向う途中、49階付近で突然停止してしまう。乗客たちはすぐに助けが来ると思い、呑気にしていたが、乗客の1人が「爆弾を持っている」と告白するのだが……。
閉塞的な密室で危機的状況に追い込まれた乗客たちの苛立ち、パニックをあぶり出す。爆弾の解除、閉ざされたエレベーターからの脱出が興味をそそるが、衝撃的なグロテスクなシーンを用意するなど、観る者にインパクトを与えるような演出がなされているのはよろしい。
また、追いつめられた人が衝撃的な発言をしたことによって乗客たちの意外な過去が暴かれるシーンにも驚愕させられる。
ストーリーは簡素化されているため、ハラハラドキドキの緊張感を味わうべき作品だ。
(佐々木貴之)