エコエコアザラク R-page&B-page - 前田有一

映画の基本部分がおろそか(30点)

 週刊少年チャンピオンで1970年代に連載されていた古賀新一のホラー漫画『エコエコアザラク』は、95年に映画化されて以来、テレビドラマや再度の映画化など、何度も映像化されてきた。主人公の美少女、黒井ミサは黒魔術を駆使する魔女で、映画版ではその時々のアイドルが彼女を演じ、話題を呼んできた。

 そんな優良コンテンツであるこの原作を、今回はVFXに強く、ハリウッド作品でも活躍する新人監督の太一が映画化。近野成美や秋山莉奈ほか、アイドルマニア注目の若手をキャスティングして、イブニングショーで公開される。なお、R-pageとB-pageと名づけられた前編後編に分けて公開されるが、この批評記事は両方についてまとめたものだ。

 両方に共通するのはあるひとつの出来事。それは、晴れ渡った空から巨大な雹(ひょう)が降り注ぎ、幾人かの犠牲者を出した怪事件だ。「R- page」では、リーダー(IZAM)から命じられこの町へやってきた黒井ミサ(近野成美)が、破壊神エゼキエルの復活を阻止すべく活動する姿を描く。

 後編となるB-pageは、先の事件で死んだモデル(秋山莉奈)に入れ込んでいたかつてのフォトグラファー(高木りな)が、連続バラバラ殺人事件に関わっているとにらんだミサが、再びこの町で調査を開始する話。

 どちらもオカルト要素満載で、画面はダークな色彩でまとめられ、原作のムードを再現することに力を入れている。オカルト好きの方は、このムードだけでうれしくなるかもしれない。

 監督の得意なVFXは、予算の都合もあってそれほど多くはないが、重要な場面で効果的に使われる。人間が一瞬でバラけてしまうショッキングな場面や、送電線が踊りまわるシーンなど、どちらも現れるのが唐突だったり背景の一部が急激に襲ってきたりと見せ方がうまい。

 とはいえこのシリーズは、そうした見せ場や原作うんぬん以前に映画としてのレベルがかなり低い。とくにドラマ進行部は、演技力皆無なキャストと洗練されていない台詞、映像美にこだわりすぎて基本がなっていない演出によってガタガタもいいところ。音声の収録ムラも目立ち、背後に流れる音楽もひっきりなしで目障りだ。

 チープな映画をチープに見られることを恐れぬ態度は大いに買うが、わざわざ2部作にする余裕があるならば、一本でいいからまともな作品をまとめてほしいところ。いかにイブニングショーとはいえ、もう少しアイデアや勢いなど誉めるべき点があればよかったのだが。

前田有一

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