◆足が大きくなり、毛むくじゃらになり、顔が狼化するシーンに観る者は釘付けになること間違いなし(75点)
狼男を題材にした作品が21世紀に甦った!! 監督はジョー・ジョンストン、狼男=ウルフマンに変身する主人公をベニチオ・デル・トロが演じる。
19世紀末、兄の行方不明を耳にした舞台役者ローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は無残な遺体となってしまった兄と対面。その後、満月の夜にブラックムーアの村へ犯人探しに向うが、そこでウルフマンによる襲撃パニックが起きる。ローレンスは銃を武器に立ち向かうが、襲われてしまう。ローレンスは満月の夜になるとウルフマンに変身し、人を襲うようになってしまった。父ジョン(アンソニー・ホプキンス)はそんな息子ローレンスを警察に引き渡してしまうのだが……。
狼男系ホラー映画の見所と言えば、何と言っても変身シーンだ。本作で特殊メイクを担当したのはリック・ベイカーで、かつては『狼男アメリカン』(81)やマイケル・ジャクソンのヒット曲「スリラー」のPVでも狼男を担当してきたのである。足が大きくなり、毛むくじゃらになり、顔が狼化するシーンに観る者は釘付けになること間違いなしだ。
そして、変身シーンに比べるとさらに面白く思えるのが、ウルフマンによる襲撃シーンである。テンポと勢いの良さは秀逸であり、なかなか見応えのあるシーンとして仕上がっている。また、襲われた際の痛々しい傷やちぎれてしまった手や足も観られたりといったスプラッター風味を取り入れたことに関してもポイントが高く、これがホラー映画らしさを存分に実感させてくれるので良いと言える。
終盤では二人のウルフマンが激しいバトルを繰り広げるが、これがまた迫力いっぱいのモンスターバトルとして描かれているため、観る者をしっかりと楽しませてくれる。
(佐々木貴之)