インベージョン - 福本次郎

◆理性だけになってしまった精神はもはや心とはいえない。エイリアンに感情を奪われた人間の行動を通じて、心の平安という状態のうそ臭さを訴える。しかし、発症者=エイリアンの取る行動は短絡的で、理性ある行動と思えない。(40点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 身近な人から突然感情がなくなり、覚めた目で見つめられる。その無表情は周囲の人間にも伝播し、気がつくとほとんどの人が能面のような顔になっている。世界が急激に変わりつつあり、自分も飲み込まれてしまうんではないかという恐怖。理性だけになってしまった精神はもはや心とはいえない。エイリアンに感情を奪われた人間の行動を通じて、心の平安という状態のうそ臭さを訴える。しかし、その割には発症者=エイリアンの取る行動は短絡的で、理性ある行動と思えない。本当に賢い方法を考えるなら、もっと目立たないように時間をかけて感染者を増やすだろう。

 スペースシャトルが爆発し、散乱した機体の破片に付着していた未知の宇宙生物のウイルスに接触したものは急におとなしくなるという伝染病が頻発。心療内科医のキャロルも感染するが、眠らなければ発症しないという特性を知り、不眠不休で発症者に囚われた息子を救出に向かう。

 友人や知人の性格が変わり、生気がなくなっている。どこか違和感を覚え、同じ感覚を街の人々からも感じてしまう。そんなキャロルの不安が徐々に増幅されていく前半は非常に緊張感があり、ニコール・キッドマンの演技に引き付けられる。しかし、後半の発症者たちに追われる過程で、キャロルは自分の知らない発症者は容赦なく殺していく。いくら息子を守るためとはいえ、ゾンビ扱いだ。その一方で発症者が知人の場合は命を奪わないというご都合主義が蔓延する。

 キャロルは心療内科医、どうせだったら彼女は高度に感情コントロールの訓練を受けていて常に理性だけで行動しているのでこのウイルスに耐性があり、この事件を通じて感情の大切さを知るというくらいのオチがほしかった。人間の心にはまず感情があって、それを理性で抑制しているという主張は分かるのだが、そこをにもっと焦点を絞って心理スリラーとして洗練すれば問題提起になったはずだが、中途半端なアクションを入れたためにできの悪い混ぜご飯のようになってしまった。。。

福本次郎

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