アート・オブ・ウォー2 - 渡まち子

妙に説得力があるのは、脱税で逮捕され実刑を受けたスナイプスだからか(55点)

アート・オブ・ウォー2

© 2008 OPERATION EAGLE PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 2000年のヒット作「アート・オブ・ウォー」の続編にあたるのが本作。ウェズリー・スナイプスが得意のアクションを披露するクライム・サスペンスだ。かつて国連の特殊諜報員だったニール・ショーの元に恩師の訃報が届く。彼の娘と名乗る女性と共に疑惑の死の真相を探るうちに、ショーは、武器密売、政治家暗殺計画、FBIまでもがからむ陰謀へと巻き込まれていく。

 個人的に、セガール、ヴァンダム、そしてスナイプスをB級アクション映画の御三家と位置付けている。スナイプスはマーシャル・アーツの有段者だが、この人の特徴はサングラスを多用するせいか、戦うとき無表情になることだ。他の二人は力んだ顔が思い浮かぶが、スナイプスは座禅を組む僧侶のように静かなイメージで、それが彼の動きをシャープに見せている。タイトルの“アート・オブ・ウォー”とは、中国の孫子の兵法書の英語題。映画のお約束は、ぬれぎぬ、裏切り、アート・オブ・ウォーの極意だ。幸福感に満ちたどんでん返しだった前作と比べ、今回は陰謀の規模が大きい分、結末も苦い。時に裏街道を行きつつも、正義を貫き、闘争本能全開で戦い抜く主人公。妙に説得力があるのは、脱税で逮捕され実刑を受けたスナイプスだからか。“逮捕後も変わらず正義のヒーロー”という洒落にならないキャッチに苦笑する。

渡まち子

【おすすめサイト】