◆地球はすばらしい!!主演:地球、動植物達には、100点満点!!(70点)
本作品は、2003年に公開された海洋ドキュメンタリー映画:「ディープ・ブルー」を手がけたイギリスのBBCが第2段作として5年の歳月をかけ作成したものである。
主演、地球、46億歳。その誕生から"奇跡の星"と呼ばれる。広大な宇宙の中で生命を育むことができる唯一の星:地球がどれほど奇跡的に誕生したのかという話から映画は始まる。
私は、恥ずかしながら地球についての知識をほとんど持っていなかったので、この美しい地球の誕生、そして生命の誕生の奇跡にただただ感動した。
ナレーターの渡辺 謙の解説に感心しつつ美しい地球の映像を眺めていると、場面は
やがて北極の大地へ。そこには、春の訪れとともに目覚めた北極グマの親子が。なんとも愛らしい子グマの動作を微笑ましく眺めていたが、後のナレーターの一言で一気に重たい気持ちになってしまう。胸が痛くなった。
それは、この地球温暖化で北極の氷が溶け、氷の上で狩や生活をしている北極グマは、居場所がなくなってきているというのだ。薄く割れやすくなった氷の上をよたよたと足を取られながら、しまいには海に落ち、それでも懸命に泳いで陸地と餌を探すが、体力がつき死んでしまうものが増えてきていると言う。本当に心が痛い・・・。
続いて場面は、乾季のサバンナを水を求めて移動するカリブーの群れやアフリカ像達の光景へ。300万頭もの群れで移動する動物達の上空からの光景は、まるで地面自体が動いているかのよう。そしてこのカリブーなどの草食動物を狙うオオカミやチーターのハンティングシーンは、まさに息を呑む迫力だった。(特にオオカミのハンティングシーンは、世界初とのこと。)
すごい角度(斜め)に傾きながら高速で走り、獲物の首に噛み付くまでのわずか数秒の動きを、1秒間に1000コマ以上の撮影が可能な超ハイスピードカメラで撮影し、筋肉の動きや、チーターの獲物を捕らえる手(指)の広がり方、逃げ惑うカリブーが諦めた時の悲しげに光った瞳、最後に小さく口を開け一声鳴いた瞬間・・・通常のカメラ(肉眼)では絶対に見ることのできない決定的瞬間の連続が映し出されていた。壮絶な命のやり取りのドラマだった。
その他にも、大迫力のホオジロザメの捕食シーンやシロナガスクジラの子育ての映像亜熱帯に住む極楽鳥のなんともユーモラスな生態(求愛ダンスには思わず笑いが)。今まで目にすることができなかった動物達の生活をじっくりと見ることができた。
また、絶滅危惧種のアムール豹についてやサバンナの過酷な現在の状況、など人間の手によって壊された自然環境とそんな自然にも抗うことなく懸命に生きていこうとしている動物達との過酷なドラマも映し出されている。
人間が引き起こした罪は重い。人間の身勝手さに胸が詰まる思いだった・・。
そしてこの映画では動物達だけでなく、地球が育む美しい光景をまるで空でも飛んでいるかのような気持ちよさで、撮影しているすばらしい映像も準備されている。季節の移り変わりがもたらす自然の景観の変化、この美しさにも圧倒だ!(日本の奈良県吉野山も出演!みごとな桜の景観を披露している。)
この作品を見終わって思うことは一つ!『"地球"という奇跡の星が作り出したこんなにもすばらしい、こんなにも美しい自然を、動物達を守らなくては!!すぐに環境対策を始めなくては!!』と・・・
しかし・・・結局、なかなかできなかったりする。。意識はあるけれど、自分だけが頑張ってどうなるの?と思ってしまう自分がいるのだ。
そう!そしてこれと同じ意識が国レベルでも起こっているのではないかと思う!中国、アメリカの意識の低さ・・・
そして、実は北極(南極?)の氷が解けるのを狙って、油田(資源)開発を争っている国もあるらしい。(驚きだ!)
これでは、本当に30年後、恐すぎる。
そんな今、今回この映画を見て、どう感じるべきなのか?見終わった後も、北極グマの悲しそうな表情を思い出して・・・
"チリも積もれば山となる!!"少しでも私が!!と本気で思えた。
お子さんがいらっしゃる方は特に、是非一緒に見ていただき、これからの世界を担う
子供達にも少しでも何かを感じ取ってもらえたらいいなと思います。
最後に、以下は撮影後にわかったことらしいのですが・・・映画に登場したアムール豹が、撮影中(5年前)45匹いたものが、現在27匹程に減っているそうです。
(スタッフ古庄)