ディテールをまったく無視した物語には恐れ入るばかりだった。。。 (点数 30点)
(C)2011 アンフェア製作委員会
「あっ、そうだったのか!」。裏切りと欺瞞、秘密と罠に満ちた複雑
極まりない人間関係が一気に解き明かされる終盤で、思わず膝を打っ
てダマされた快感に酔いしれた。と、言いたいところだが、取ってつ
けたつじつま合わせの連発にはあいた口がふさがらなかった。前作同
様、アイデアはパクリだらけ、穴だらけの設定と展開、もしかしてこ
のシリーズはツッコミを入れるのを楽しむ映画なのか。
【ネタバレ注意】
ネイルガンによる連続猟奇殺人事件が発生、北海道に異動になった雪
平に会いに来た前夫・佐藤も犠牲になる。しかし、犯行現場から雪平
の指紋が検出されたため、彼女は逮捕される。
犯人は事件の容疑者を殺す手の込んだ方法をとり、次に狙われるはず
の雪平は検事の村上を人質にとって取調室から脱走する。一方で警察
の裏金の流れを記録したUSBが絡み、警察は雪平確保に全力を上げる。
東京まで逃げた雪平は信頼できる同僚を頼りつつ、単身事件の核心に
迫っていく。その過程で犯人は常に雪平の先手を取り、雪平は猟奇犯
の虜になってしまう。
結局、雪平はひとりで二つの事件を解決してしまうが、そこに至るま
でに二重三重のどんでん返しが用意されている。ところが、なるほど
と思えたのは村上の狂言人質だけ。後半は屋上屋を重ねたような思い
付きばかりで、ディテールをまったく無視した物語には恐れ入るばか
りだった。。。
(福本次郎)