リアリティーを追求したドキュメンタリータッチ(点数 60点)
(C)Nostromo Pictures SL 2011
『[リミット]』で脚光を浴び、『レッドライト』の公開が来年に控えているロドリゴ・コルテスが脚本・製作を務め、短編で注目されたTV畑出身の若手カルレス・トレンスがメガホンを取ったホラー作品。
アランは妻の死をきっかけに怪奇現象に悩まされ、子供たちを連れてアパートへ引っ越す。だが、このアパートでも怪奇現象に見舞われたため、精神科医ヘルザー率いる超心理学科学者チームに調査を依頼する。各部屋にカメラを設置して調査を進めていくうちにあらゆる怪奇現象が連続する……。
本作では様々なカメラを駆使して16種類の方式で色々なアングルで恐怖現象を捉えており、その出来栄えは、リアリティーを追求したドキュメンタリータッチだ。
見せ場の怪奇現象にこれといって目新しいモノはないものの、観る者の恐怖心を煽り立てる大きな物音、白いワンピース姿の女幽霊の存在、アランの娘ケイトリンの身に異変が起きるといったホラー映画らしい恐ろしさ、気味の悪さを存分に感じさせ、ストーリーが進展するにつれてアラン一家に隠されていた忌まわしい過去が明かされていく。
近年、POVやドキュメンタリータッチのホラー作品群が目立つが、そういった作品がお気に入りという方にはオススメであり、80分と短めの尺だからより気軽に楽しめるのが良い。
(佐々木貴之)