◆前作の二番煎じレベルから脱却できていないパワーダウン続編(40点)
御存知、演技派ロバート・デ・ニーロと、コメディアンのビリー・クリスタルのオジサン二人が主演のコメディ映画。
これは、『アナライズ・ミー』という映画の続編で、基本的な設定、脇役たちは全く一緒。いわゆる完全なる続編というやつである。
とはいえ、前作を見ていない人でも普通に楽しめる。もちろん、前作を見ているほうが、より楽しめる。
この映画は、あの渋いデ・ニーロ演じるマフィアが『ウェストサイド物語』を突然歌い、踊り出すという、その意外性が見所という映画。それはつまり、デ・ニーロという俳優の名前を聞いても何らピンとこない人にとっては、ちっとも面白くない映画でもある。
笑いのテンプレートとしては、前作と全く同じ。同じギャグを、同じ顔ぶれが、同じように演じるというもの。別名『二番煎じ』。
前作から、何か少しでも進歩や新アイデアがあればいいのだがそれはない。前作の世界観が大好きで、彼ら二人のギャグを見れるだけで幸せ! という方以外には、ちょっとおすすめしにくい。
だいたい、前作はあんなに綺麗に完結していたのだ。いかにヒットしたからとはいえ、ああいうラストにムリヤリ続編をつなげるのは良くない。また、一番面白いシーンがエンドロールについているオマケのメイキング、という点もいただけない。
(前田有一)