アタック・ザ・ブロック - 青森 学

『遊星からの物体X』と『ゾンビ』を掛け合わせたような作りがB級感を醸し出している。(点数 72点)


(C)StudioCanal S.A./UK Film Council/Channel Four Television Corporation 2011

毎日をカツアゲと大麻の販売で過ごす不良グループのリーダーであるモーゼズ(ジョン・ボガーヤ)は或る夜、最近になって公営団地(ブロックとはこのこと)に引っ越してきた看護師の女性(ジョディ・ウィッテカー)から金品を巻き上げようとしたその時、飛来した隕石が近くのクルマを直撃する。鍵を壊す手間が省けたとばかりに破壊されたクルマの車上荒らしをするモーゼズだが、出てきたのは猿のようだが得体の知れない生き物だった。

不良グループのリーダーがフツメンなのに終盤は格好良く見えてくる。ラストは物事にけじめを付ける主人公の責任感に少し感心した。只、この作品全般に言えることなのだが、個人個人の人間的背景があまり描かれてはいないうえにアウトローな人間ばかりなので心情的に共感しにくい。もっぱらエイリアンと不良グループとの戦いがメインなのと、少しスプラッター要素も有って、屍鬼をエイリアンに置き換えてリモデルしたものが本作と言えそう。

この映画はパニック物と言い換えても良さそうだ。エイリアンは宇宙から飛来するだけで知性はあまり感じさせず、動物的でゴリラのようで、SFであるS(サイエンス)の要素は感じられない。
団地という限定空間の中で繰り広げられる不良グループとエイリアンの死闘が生々しい。
殺戮シーンは結構えぐみをもって描写されており、ホラー映画の殿堂であるゾンビを彷彿とさせる。
訓話的話しも別に無い。行ないが良ければ報われるという話しでは無い。只、悪が栄えるという話しでもない。善悪の彼岸を超えて、麻薬を売って日々をしのぎつつ、彼らの日常を脅かすものは、たとえそれがエイリアンであっても粛々と排除する。彼らにとって敵であるのならば、エイリアンでも人間でも構わないという姿勢にリアリティを感じる。

ラップ(ヒップホップ?)はRunD.M.Cで卒業した私にはコックニーが刻むラップのリズムに共感し辛かったのだが、全編を貫くラップのビートが堪らないと言う人もいるだろう。この映画ではブラックカルチャーと、それを否定する異質の存在という対立軸になっている。
どちらかと言うと低所得階層に属する不良グループたちの閉塞した日常とエイリアンの襲撃に恐怖を抱きつつ日常を打破する存在として一時でも戦いに期待感を寄せるのは彼らの行き場の無い不満を台詞に託し、ひりつくような皮膚感覚で表現されている。

CGを使わず実体としてのエイリアンを撮影に使用することで、臨場感のあるシーンが生まれている。よって役者の演技は迫真性を帯び、ホラー映画として一層の深みを得たように感じた。

青森 学

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