◆暗闇でいつ襲ってくるかもわからない生物との戦いは実にドキドキの連続!(88点)
全世界で、ただ一人生き残った男 ― 。ということで、よくある人類絶滅危機ものの映画とは逆の発想から展開する今作品。
人類絶滅の危機を阻止するのではなく、すでに66億人の人類が絶滅してしまった後、たった一人生き残った男が孤独に耐えながら人類再生を目指し強く生き抜いていく物語である。
私としては、初めての展開で、実に斬新さ新鮮さを感じたのですが、本作は、アメリカのSF作家リチャード・マシスンが1954年に発表したSF小説『吸血鬼』(原題"I am Legend")を原作とし、1964年に「地球最後の男」監督:シドニー・サルコウ/ウバルド・ラゴーナ として映画化されている。
さらに、1971年には「地球最後の男オメガマン」監督:ボリス・セイガル として2度目の映画化。本作は3度目の映画化となるそうです。
スタートでは廃墟と化したNYの光景が映し出されているのですが、実に現実的で本当にCGなのか!?と目を疑うほど!(本当にCGではないのかもしれませんが・・セットで作ったとしてもすごすぎる!!笑;)
人がいなくなるとこうも変わるものなのかと、映像に映し出されている実際のNYの街並みを目にしたことがある人は、さらに実感が沸くのではないでしょうか。
そうした閑散とした街に、主人公:ネビル(ウィル・スミス)一人と愛犬サム一匹。
誰もいない街で、車を高速で乗り回し、マネキン人形に話しかけ(ナンパもしつつ・・笑)飛行機の翼の上から摩天楼に向かってゴルフをかっ飛ばし・・世界にたった一人残ったためにできることだが、何をしてもどこまでも孤独・・
この孤独感、ドキュメンタリー性(?)をも醸し出させる為か、上映中挿入歌も一切なく(物語の中でネビルが歌うことやネビルがCDの曲をかけることはあります)、鳥の羽ばたく音などが聞こえるほど非常に静かな状況でスートーリーは展開していく。
しかし、言葉(台詞)や音楽が少なくとも、見るものを夢中にさせるものが、ウィル・スミスの演技力のすごさにあった!!
言葉で表現することのないネビルの表情や態度は、見るもの自身の想像(自分だったら・・など)をも掻き立て言葉で表現される以上にネビルの気持ちに同調してしまう。
見る人それぞれに様々な見方(捕らえ方)もできるので、そういった点でも実に面白い映画だったと思います。
そして、人類滅亡後に出現した闇に潜む生物(ダーク・シーカーズ)との戦いは、突然の爆音や出現にビクーッ!!と何度体が動いてしまったことか・・・(笑;)普通が閑散と静かなだけに余計に驚き、心臓に悪い!!(笑)
暗闇でいつ襲ってくるかもわからない生物との戦いは実にドキドキの連続!!素直に面白かった!!
撮影数か月前から過酷なトレーニングと栄養管理で9kgの減量と肉体改造を行ったというウィルの肉体美も堪能しつつ、迫力あるアクションであっという間に映画も終盤に。
また、孤独感、絶望感、恐怖の他に感動の場面もあり、途中、途中で垣間見えるネビルの記憶の断片(人類滅亡に至るまでの記憶)やネビルの"友人"との別れのシーンはなんとも胸をえぐられるような思いです。思わず涙が・・・
ストーリーも分かりやすく、すっと物語に入り込め、いろいろな思いが胸を駆け巡る、そんな映画でした。
映像や音響なども迫力満点なので、是非、映画館で見て欲しい作品の一つです。
(スタッフ古庄)