らもトリップ - 中野 豊

健常者のみならず、多くのアルコホーリクスにもごらんいただきたい「今夜、すべてのバーで」の著者、中島らも リスペクト・ムービー。(点数 70点)


(C)2011「らもトリップ」製作委員会

本作は、中島らもの短編小説三編のショートフィルム+彼と生前(2004年死去)交友のあったセレプリティのインタビュー映像を挿入したフィク・メンタリー構成映画です。

作品全体を通して「中島らも」という生き様を筆者の想像をこえたカタチで映画化されました。

あらすじ

オムニバス トリップ其の1 
「クロウリング・キング・スネイク」

学生 萩本さなえ(小島藤子)はクラスメートの林敬吾(野村周平)に告られていますが、さなえの親友 鳴瀬川(清水くるみ)と遠山(神崎れな)が敬吾にどちらが「告白するか」の100番勝負中。
パラレルに、さなえのニートの姉 のぞみ(宮下ともみ)がヘビにトランスフォーム。父 康祐(松尾高史)は「ウチの家系は成人するとヘビ女になるんだよ」とギンギラギンにさりげなく告げるのです。
のぞみは脱皮したりと、日増しにヘビらしくなってゆき、その普通とは違う容姿を利用して「蛇メタ」バンドを結成するのでした……。

オムニバス トリップ其の2
「微笑と唇のように結ばれて」

画商 丸木(嶋田久作)は不思議なムードの美女 マリカ(永池南津子)と偶然あいます。惹かれあうままに一夜を共にする二人。ななななんと、その女 マリカはヴァンパイアだったのです。
弱ってきた丸木を袖にし、ヴァンパイアは血を吸う次の相手をみつけるのですが、丸木は俺の血を吸ってくれ!浮気すんなぁ!……と懇願するのです。怖っ。

オムニバス トリップ其の3
「子羊ドリー」

宗教・倫理問題にもめる他国をよそに、クローン人間製作(政策)が認可された近未来の日本を舞台に※くれる賞ならもらってやるよ芥川賞風?売れっ子作家 藤原(勝村政信)が『監督・ばんざい!』のたけし人形よろしく自身にちっとも似ていないクローンに仕事をさせます。
そうしてクローン(諏訪太郎)とヒューマン(勝村政信)の奇妙な生活がはじまるのです。ビビル大きな展開から、ある夜クローンの様子がおかしなことになっていくのですが……。

どの「ショート」を取っても撮っても「らもトリップ」なシュールリアリズム炸裂!

そして、中島らものプライベートな一面を語るのは、石田長生(Osamu Ishida)、宇梶剛士(Takashi Ukaji)、大槻ケンヂ(Kendi Ootsuki)、竹中直人(Naoto Takenaka)、チチ松村(gonchichi)、原田伸郎(Noburou Harada)、古田新太(Arata Furuta)、中島さなえ(Sanae Nakazima)、中島美代子(Miyoko Nakazima)、宮前賢一(Kenithi Miyamae)、山内圭哉(Takaya Yamauti)、中野裕之(Hiroyuki nakano)、といったビックリ仰天な面子にギョギョッ。

中島らも作品の持つシリアス面からコメディ要素まで詰め込みます。そして、表の顔からプライベートな一面まで。らもファンも名前すら知らなかったあなたにも十分に楽しめ、新たな「中島らも」を垣間みる映画となること間違いなしです!
東京芸大がその伝統・歴史をぶっ壊した「いいんだぜ!」映画なのです。それでいいのだ!

■2011年 日本映画/上映時間:119分/監督:三間旭浩・今橋貴・松尾健太&中野裕之

配給:東京芸術大学

オフィシャルらしきサイト:http://motion-gallery.net/projects/6

中野 豊

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