そんな彼なら捨てちゃえば? - 福本次郎

愛するよりも愛されたい恋愛体質丸出しの女たちの底なしの赤裸々な欲望。人生に恋は必需品、だがここまであからさまに本音を表に出しすぎると男は引いてしまう。いくら男女同権といっても、やはり「誘うのは男の役目」なのだ。(50点)

そんな彼なら捨てちゃえば?

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 男の子にいじめられたら、「それはあなたが好きな証拠」と子供のころに母親に刷り込まれて以来、ときめいた男の何気ない仕種にあらゆるサインを嗅ぎ取り自分に都合のよい解釈をするOL。常にチャンスをうかがい、理想の男性像を追い求める貪欲さ、そしてうまくいかなくてもすぐに立ち直り、次の相手を物色するすさまじいエネルギーを持つ大人に成長している。映画は、彼女のほかにも、愛するよりも愛されたい恋愛体質丸出しの女たちの底なしの欲望を赤裸々に語る。人生に恋は必需品、だがここまであからさまに本音を表に出しすぎると男は引いてしまう。いくら男女同権といっても、やはり「誘うのは男の役目」なのだ。

 同じオフィスで働くジジ、ジャニーン、ベスは大の仲良し。コナーという男とデートしたジジはその後彼から電話がないのを気にしている。ベスは同棲中のニールがなかなか結婚に踏み切らないことに業を煮やしている。ジャニーンはベンとの結婚生活に倦怠感を覚えていて、ベンは浮気に走る。

 ジジが異性の悩みを打ち明け、的確なアドバイスを送るジャスティンという男の言葉が辛辣かつ的確で参考になる。電話番号の交換から電話をかけるタイミング、会話の内容で「その恋は脈あり」かどうかを一瞬で見分ける。レストランバーという出会いの場で多くの男女の駆け引きを見てきたジャスティンは大抵の恋愛行動が予想がつく。しかし、ジャスティンはジジに率直な意見を言っているだけなのに、そのジャスティンに対してもまたジジは恋の予感を抱く。あくまで自らの思い込みに忠実に突き進む、「イタい女と思われることを厭わない」ジジのパワーは感動的ですらある。

 ただ、彼女たちのパートナーの男たちが友人同士なのは理解できるが、さらに彼らに絡んでくる女たちまでそれぞれの登場人物とどこかで細いつながりを持っているのはどういうことなのだ。ボルティモアという大都会を舞台にしているのに誰もが誰かの友人知人、そんな狭い人間関係の中で色恋沙汰を繰り返している。まるで村社会のような世界ではすぐに噂が駆け巡り、奔放な恋愛などかえってやりにくいと思うのだが。。。

福本次郎

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